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      MAIL MAGAZINE  梟雑話
       2003/04/14  [050]

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 ふくらうはふくらうでわたしはわたしでねむれない
                 山頭火の句
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ブラジル7

ブラジル料理の代表格はフェイジョアーダとシュハスコ(シュラスコ)だろう。
フェイジョアーダはフェイジョンという黒豆に、豚の耳、鼻、足、内臓などを
加えて豆がとろとろになるまで煮込んで、ご飯にかけて食べるものらしい。

らしいというのは、耳や鼻、足は毛がはえたまま煮込んであるとさんざん聞か
されて、この好奇心の強い私もさすがに一度も挑戦できなかったのである。
聞くところによるととても美味しいものらしく、やみつきになるということを
帰国してから聞いてちょっと残念であった。

このフェイジョアーダはもともとはプランテーションで働く奴隷が、捨てられ
る部分を上手に利用して豆と一緒に料理したのが始まりのようだ。
栄養満点のスタミナ料理だそうだ。

日本では煮豆の類はよくあるが、メキシコやイタリアなどのように豆を他の材
料と形がなくなるほど煮込んで食べるレシピは余りない。
向こうの人は豆をよく食べる。

シュハスコは長い剣のような鉄の串に、ソーセージ、牛肉、豚肉、鶏肉の肉塊
を刺して遠火でじっくりと焼いて、牛肉についてはよく焼けたところがよい人
は表面を、半焼きがよい人はもっと分厚く、レアのよい人はもっと中の部分と
好みで切り分ける。

トマト、ピーマン、玉葱のみじん切りに、レモン、ビネガー、オリーブオイル、
塩、コショウ、好みのハーブを加えて混ぜ合わせたサラダ風のものと一緒に食
べる。
これは気に入って肉を焼いたりバーベキューの時など今でもよく作る。
添えるご飯はみじん切りの玉葱をいためてレーズンなどを加えたバターライス
がよく合う。

シュハスカリアと呼ばれるレストランはいつも賑わっていて、足まである黒い
長い前掛けをつけたガルソンが、料理された肉の串を持ってきて、短剣のよう
なナイフで皿に切り分けてくれる。
牛肉は赤身の部分で、子どもには硬いようでどんなに小さくして口に入れてや
っても噛んで噛んで飲み込めなかった。
肉の値段は牛肉より豚肉の方が高く日本とは逆だった。

レストランでは食卓につくと青いオリーブの実の塩漬けと野菜のピクルスが出
る。
チーズ味の表面が硬くて、中が腰の強いしかしやわらかい餅もちしたパンが出
てとても美味しいものだった。
近年日本のパン屋でそれらしきものが売られているが、きっと粉が違うのだろ
う全く別物だ。

白くて柔らかいパルミットという椰子の若芽のサラダが珍しかった。


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 ブラジル6でサンパウロの日本人向け新聞をパウリスタと書きましたが、正
しくはサンパウロ新聞でした。
 山頭火ノートを全部持ってきておらず、今週は山頭火の句がありません。



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    著者 佐藤北耀

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